トラディショナルアーミッシュドレス

最も保守的なアーミッシュグループ「シュワルツェントルーバー」の伝統服

トラディショナルドレス1

アーミッシュは実は、いくつかのグループに分かれています。オールドオーダーアーミッシュ、ニューオーダーアーミッシュ、ビーチィアーミッシュなど……。
それぞれのグループの違いは、文明の利器や電化製品、便利な物をどれくらい生活に取り入れるかです。

例えば、ニューオーダーアーミッシュは電話を家に置くけど、オールドオーダーアーミッシュは置かないなど。どこまで便利なものに手を出すかのラインが、グループによって異なります。

そして、最も厳しく、伝統的な暮らしを維持しているグループは、「シュワルツェントルーバー・アーミッシュ」と呼ばれています。彼らはオハイオ州を中心にコミュニティを広げており、その人口は増え続けています。

ここ10年ほどで、アーミッシュのライフスタイルは少しずつ現代化してきました。洗濯の時に脱水機を使うことが許されるようになったり、自転車にバッテリーをつけて坂道も楽に登れるようになったりと、生活をゆるやかに進化させています。
しかし、このシュワルツェントルーバー・アーミッシュの人達は、生活様式を昔からほとんど変えていません

その暮らしぶりは、その他のアーミッシュが見ても驚くくらい、昔ながらの伝統的なものなのです。
今回のワンピース開発プロジェクトは、そんな彼らのドレスがお手本です。

シュワルツェントルーバーの洗濯物
△シュワルツェントルーバーアーミッシュの洗濯風景

衝撃的に美しい、シュワルツェントルーバーの服

アーミッシュはグループによって着ている服が少しずつ異なります。
デザインのディティールが違ったり、色味が違ったり、重ね着をするパーツが違ったり……。
まるで日本の制服のように、彼らは着ている服を見て属するグループを判別します。

シュワルツェントルーバーの着る服は、当然ながらどのグループよりも古い、昔ながらのデザインです。
色は暗いトーンのみで、ボディラインが目立たないように生地を重ねて着るよう工夫が凝らされています。
「おしゃれさ」や「流行」のことはまったく考えずに、機能的であることと、伝統的であること、そして、簡素でシンプルであることを重要視します。

しかしその服が、衝撃的なほどに美しいのです。

私は彼らと交流し、その服を何度も見ているうちに、ある衝動に駆られるようになりました。シュワルツェントルーバーのドレスが象徴する精神性と価値観、そしてその美しさを、日本に紹介したいと。
そして、彼らのドレスを再現する方法を模索し始めました。

伝統を守る価値観が反映された、複雑な作り

彼らのドレスを再現したいと思いつつも、はじめは見た目のデザインをスケッチするくらいしかできませんでした。当然、外から眺めていても、服の内部の構造が分かりません。女性達はブラジャーを付けないとのことで、ケープを上半身に巻きつけて胸を支えているという衝撃的な話も聞きました。
ますます、内側の構造が気になります。

ある日、よく訪問するシュワルツェントルーバーアーミッシュのバスケットショップにて、店番の女性と立ち話をしていました。服の構造について質問をしていると、なんとお古のドレスを譲ってもらえることになったのです。
アーミッシュは普通、生地がとことん擦り切れるまで一枚の服を着続けます。なので、譲ってもらったドレスもクタクタに着古されていました。どんなに古くても、私にとっては宝物のような贈り物です。
本当に嬉しくて、日本から持ってきたお菓子をいくつも手渡し、お礼をしました。(彼らは、日本のお菓子、特に「柿の種」が大好き)

実物のドレスが手元にあれば、正確に内部の構造を確かめることができます。実物を日本に持ち帰り、早速パタンナーさんと開発をスタートしました。

型紙のプロであるパタンナーさんも、実物のドレスを手にとりながらとても驚いていました。なぜなら、かなり凝った複雑な作りだったからです。丁寧に見ていくと、その「複雑な作り」の一つ一つにも理由があることが分かりました。

そして、縫製の世界で一般的に「正」とされている常識は、このドレスには当てはまりません。
驚いたことに、シュワルツェントルーバーは「ロックミシン」というかがり用ミシンの利用を拒否しているのです。
これも、彼らがいまだに使わないことを選択している文明の利器の一つなのです。ロックミシンを使わずに、直線ミシン(しかも、電動ではなく足踏み)だけでこの複雑なドレスを作っているとは……驚きでした。

トラディショナルドレス2

「You did Good job!」アーミッシュからの太鼓判

無事に型紙が完成し、シュワルツェントルーバー御用達の生地屋さんで手に入れた布でサンプルを作りました。型紙制作・サンプル制作を繰り返していく過程でいくつか、本物のドレスの構造から変更した点があります。記録として、ここに残しておきたいと思います。

・ブラジャー代わりとなる上半身への布の巻き付けは必要ないため、シンプルなケープに変更。
・前開きはマチ針で留める仕様だが、安全を考慮して比翼ボタン仕立てに変更。
・スタンドカラーの詰まり具合がかなり狭い仕様だったが、ゆるやかに変更。(首を下に傾けても苦しくないように)
・ロックミシンで端の処理をする、接着芯を付けるなど、縫製方法は日本での利用シーンを考慮して現代化。

こうしてでき上がったサンプルドレスを持って、私は再びアーミッシュカントリーに飛び立ちました。

オールドオーダーアーミッシュ、シュワルツェントルーバーアーミッシュ、色々なグループのアーミッシュにサンプルドレスをチェックしてもらい、作りや縫製について意見をもらいました。

photo by Junko Fath

どんな反応をするかな? と恐る恐るサンプルを見せると、みんながみんな、なんと大喜びしてくれたのです。 まず、自分達の着ているドレスと同じ物を実際に作るという私の行動に驚き、大笑い。
「お母さんにも見せたい。妹にも見せたい。」と言って、家族のメンバーがどんどん集まってきて、興味津々に眺めてくれます。


photo by Junko Fath

実は、アーミッシュの人たちは、感情をあまり表に出しません。身振り手振りもそこまで大きくありません。(一般的なアメリカ人ほど感情や表情に抑揚がない点は、どこか日本人に通じるような気がしています。)
そんな彼らが、この時ばかりは目を見開いて驚き、大笑いしてくれたのです。アーミッシュが興奮して盛り上がる姿を見れたのは、私にとって貴重で嬉しい出来事でした。

「You did Good job!(よく作ったね!)」

そう、太鼓判をもらい、安心して帰路に付きました。

トラディショナルアーミッシュドレスに込めた想い



完成したシュワルツェントルーバーのドレスは、Down to Earthオリジナルの「トラディショナルアーミッシュドレス」として販売を開始します。
「おしゃれさ」や「流行」を度外視して作られたドレスが、予想外に醸し出す清貧な美しさを、ぜひ多くの人に知ってもらいたいです。 そして、昔ながらの質素で簡素な暮らしを貫くシュワルツェントルーバーの価値観を、感じてもらいたい。このドレスを身に着けて生活をすれば、必ず何かしらの「発見」や「気付き」があると思います。
それが、着ている人それぞれの生活にポジティブな働きをしてくれることを、確信してます。
 

ワンピース、ケープ、エプロンの3点セット

トラディショナルアーミッシュドレスは、3つのパーツが1セットになっています。



1、ワンピース本体
2、エプロン
3、上半身を覆うケープ

ケープは、ボディライン(特に、バストのライン)を隠すためにアーミッシュは必ず身につけています。
エプロンは、家や庭で働く事が多いアーミッシュの必需品。
アーミッシュは基本的にケープとエプロンを常につけて使いますが、私たちが日本で着る分には自由。気分や季節によって、3WAYの着方を楽しめます。


【ワンピースのみ】


【ワンピース+エプロン】


【ワンピース+エプロン+ケープ】

おしゃれに見えるデザインにも理由がある

<スカートとエプロンの裾のタック>
ドレスとエプロンの裾には、横ラインでタックが入っています。これは、私たちから見るととっても可愛いらしい飾り付けに見えますが、実は装飾ではありません。
エプロン、スカートがふわっとまくれないように、ある程度の重さが裾の部分に必要です。そのために、このタックが重りの役割を果たしているのかと思います。

<身頃のゆとり>
エプロンをウエストに巻いたときに、ウエスト周りの生地が固定されて腕が上げづらくなることがありませんか? このドレスは、その問題を身頃の形で解決しています。わきの下あたりの生地に少し余裕を持たせてあって、腕を360度に動かしやすくなっているのです。


<袖の太さ> 袖は、太くも細くもない絶妙な太さです。アーミッシュは夏になっても半袖やノースリーブを着ません。そのため、腕まくりをしやすいような太さ・作りになっているのです。生地を折り返して長さを調整できるので、長いシーズン着ることができます。

<外付けのポケット>
ドレスには一つだけ外付けのポケットが付いています。アーミッシュにとってポケットは本来、「無駄な付属品」ですが、実用性の面から一つだけ付いています。そしてそのポケットは、エプロンをつけることでしっかり隠れるようにもなっています。
ポケットは、ワンピースの生地に対してぴったりとくっついているわけではありません。上から物が取り出しやすいように、少しだけ口がゆるんでいます。この微妙な開きが使いやすさにつながる大きなポイント。
 

サイズは「レギュラーサイズ」「小さめサイズ」「大きめサイズ」「大きめプラスサイズ」の4サイズ展開

背の小さい人も、身体の大きい人も、どんな体型の人にも似合うアーミッシュドレス。もちろん、アーミッシュは赤ちゃんからおばあちゃんまで着ていますし、細い人から大柄な人までかっこよく着こなしています。

小さめサイズはXSからSサイズ相当で、レギュラーサイズよりも丈が短い作りです。
大きめサイズは2Lから3Lサイズ相当で、レギュラーサイズと同じ丈の作りです。
大きめプラスサイズは4Lから5Lサイズ相当で、レギュラーサイズと同じ丈の作りです。

エプロンとケープは小さめサイズとレギュラー/大きめ/大きめプラスサイズ兼用の2サイズ展開です。

カスタムオーダーでスカート丈を長くしたり、短くする調整も可能です。

 

○サイズ目安
・「小さめサイズ(XS-Sサイズ相当)」「レギュラーサイズ(M-L相当)」「大きめサイズ(2L-3L相当)」「大きめプラスサイズ(4L-5L相当)」の4サイズ展開です。 サイズ表 ※「着丈」は後ろ襟ぐりのスタンドカラーの根元中央からスカート裾までの距離を測定しています。 ※上記は目安寸法となります。一枚ずつ手作業で裁断・縫製をしているので、個体によって1-3cm前後の差が生じる可能性がある旨、ご了承ください。

サイズ比較1

サイズ比較3

サイズ比較2

好きな生地、好きなサイズで作れます

アーミッシュ風シンプルワンピースと同じように、トラディショナルアーミッシュドレスもお好きな生地を選べます。
こちらから好きな生地を選んで、注文に進んでください。
カートの画面の備考欄で、希望サイズを記入してくださいませ。

ご注文から2週間程(土日祝日含む)での発送となります。

 

トラディショナルアーミッシュドレスを通じて……

Down to Earthは、アーミッシュの文化を日本に伝えていくことをミッションに活動しています。このトラディショナルアーミッシュドレスを通じて、アーミッシュ、特にシュワルツェントルーバー文化への理解と認知が広がることを祈っています。なぜなら、彼らの暮らしから、私達が学べることがたくさんあるから。
物質的な豊かさや便利さを追い求めない彼らの生活には、「幸せ」のヒントがたくさん詰まっている。そう信じています。


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